ピアノ教室の「お休み期間」どう過ごす?効果的な自主練習法とモチベ維持術

はじめに

夏休みや年末年始、先生の都合や家庭の事情などで、ピアノ教室がしばらく「お休み」になることは珍しくありません。
そんな時、「レッスンがないとついサボってしまう」「モチベーションが下がる」「何を練習したらいいかわからない」と悩むご家庭や生徒さんも多いはずです。

しかし、お休み期間こそ“自分で考えて練習する力”を伸ばす絶好のチャンス。
このコラムでは、ピアノ教室の「お休み期間」を有意義に過ごすための自主練習法や、モチベーションを維持するコツを、子どもにも大人にも役立つ形で解説します。

1. 「お休み期間」がもたらす成長のチャンス

レッスンがないと「上達が止まるのでは?」と不安になるかもしれませんが、実は“自主練習”の期間はピアノ学習の大きな成長ポイントです。

・自分で課題を見つけて練習する力がつく
・「わからない」を自分なりに工夫して解決する力が伸びる
・先生に頼らず「自分でできた!」という自信がつく
・音楽やピアノへの“自分なりの楽しみ方”が見つかる

お休み期間を「ただの空白」にせず、「自立へのステップ」として活用しましょう。

2. お休み前にやっておきたい“自主練習計画”

ピアノ教室が休みに入る前に、先生や家族と一緒に「お休み中の練習計画」を立てておくと安心です。

・どの曲・どの部分を練習するかをリストアップ
・1週間ごと、1日ごとの小さな目標を決める
・「できたらシール」「練習ノート」など達成感を見える化
・新しい曲や好きな曲にもチャレンジしてみる

【例】
・7月前半:スケールとハノン、右手の譜読み
・7月後半:左手合わせ、1曲通して弾く練習
・1日10分、3回に分けて練習

3. 効果的な自主練習のコツ

① 片手ずつ&ゆっくり練習
両手で通して弾くだけでなく、片手ずつ・ゆっくりのテンポで「音の正確さ」「指の動き」を確認しましょう。
苦手な部分や間違えやすいフレーズは、1小節だけを繰り返すのも効果的です。

② 録音・録画して自分の演奏をチェック
スマホやタブレットで自分の演奏を録音・録画し、後で聴き返すことで「音のバランス」「テンポ」「リズム」「強弱」などを客観的に確認できます。
気になるところはノートにメモし、次の練習の目標にしましょう。

③ 練習ノートやカレンダーで“見える化”
練習した日やできたことをノートやカレンダーに記録すると、達成感が生まれ、モチベーションも維持しやすくなります。
シールやスタンプ、色ペンなどで楽しく記録するのもおすすめです。

④ 好きな曲・自由曲にもチャレンジ
教本や課題曲だけでなく、アニメ・映画・ポップスなど、好きな曲や弾いてみたい曲にも挑戦してみましょう。
「自分で選んだ曲」を練習することで、ピアノへの愛着や自主性がぐんと伸びます。

4. モチベーション維持のための工夫

① 家族や友達に“ミニ発表会”
お休み期間の終わりや週末などに、家族や友達の前で「ミニ発表会」を開いてみましょう。
人前で弾く経験は、練習の目標ややる気につながります。

② 練習の前後に「好きなこと」をセット
ピアノの練習を、好きな遊びやおやつ、テレビなどとセットにすると、気持ちの切り替えや習慣化がしやすくなります。
「練習したらおやつ」「ピアノの後は好きなゲーム」など、楽しみと合わせてみましょう。

③ SNSや動画で「お手本」を探す
YouTubeやSNSで同じ曲を弾いている人の動画を見たり、プロの演奏を聴いたりするのも刺激になります。
「こんな風に弾きたい!」という目標ができると、練習のやる気もアップします。

④ 練習内容をシェア・報告
練習した内容やできたことを、家族や友達、先生にLINEやメールで報告したり、写真を送ったりするのもモチベーション維持に効果的です。

5. 「やる気が出ない日」の対処法

お休み期間は、どうしても「今日はやりたくない」「面倒くさい」と感じる日もあります。
そんな時は無理にやらせず、「一緒にピアノを開けてみる」「1音だけでも弾いてみる」など、“ハードルを下げる”工夫をしましょう。

・「1分だけ弾いてみよう」
・「好きな曲だけ弾いてみよう」
・「今日はピアノのふたを開けてみるだけでもOK」

やる気が出ない日があっても大丈夫。大切なのは「やめないこと」「また明日やること」です。

6. お休み明けの“リスタート”をスムーズに

お休み期間が終わったら、すぐに元のペースに戻すのは難しいもの。
最初のレッスンや練習では「できたこと」「楽しかったこと」を先生や家族と一緒に振り返り、「また頑張ろう!」と前向きな気持ちでリスタートしましょう。

・お休み中にできたことをノートやメモで報告
・苦手な部分や質問をまとめて先生に相談
・新しい目標やチャレンジを一緒に設定

7. 大人のための自主練習&モチベ維持術

大人のピアノ学習者も、お休み期間は「モチベーションが下がる」「練習習慣が途切れる」と感じやすいものです。

・1日5分でも「ピアノに触れる」ことを目標に
・短い曲や好きなメロディ、アレンジに挑戦
・練習記録アプリやSNSで進捗を“見える化”
・オンラインレッスンや動画教材を活用
・自分へのご褒美や小さな目標を設定

「できなかった日」を責めず、また始めればOK。自分のペースで楽しみましょう。

8. よくある質問とアドバイス

Q. 先生がいないと何を練習したらいいかわかりません。
A. お休み前に「おうちでやることリスト」を先生と一緒に作っておきましょう。もし難しい場合は、好きな曲や以前習った曲の復習でも十分です。

Q. 練習がマンネリ化してしまいます。
A. 新しい曲やジャンル、アレンジに挑戦したり、リズム練習や即興演奏、作曲ごっこなど“いつもと違うこと”を取り入れてみましょう。

Q. お休み明けに弾けなくなっているのが心配です。
A. 指や頭が「お休みモード」になっていても大丈夫。最初はゆっくり、片手ずつ、短い時間からリスタートすれば必ず戻ります。

9. まとめ

ピアノ教室のお休み期間は、上達が止まる期間ではなく、「自分で考えて練習する力」「音楽を楽しむ力」を育てる絶好のチャンスです。

・お休み前に計画を立てる
・効果的な自主練習法を取り入れる
・モチベーション維持の工夫をする
・「やる気が出ない日」も自分を責めず、また始めればOK

この期間を上手に活用して、ピアノとの新しい向き合い方や、自分だけの音楽の楽しみ方を見つけてください。

(本コラムはピアノ指導現場の声、音楽教育・心理学の知見、保護者や大人の学習者の体験談をもとに執筆しました。)