コツコツとピアノの練習が苦手な方の対処法
MY MUSIC ピアノ教室
長尾 実喜先生 監修
マイミュージックピアノ教室主宰
■経歴
名古屋市立菊里高等学校 音楽科ピアノ専攻
国立音楽大学 教育音楽学科 第2類(現リトミックコース)卒業
国立音楽大学 「ボディテクニック」伴奏者
約3年飯田ジャズスクールに在籍
音大卒業後はキーボードプレイヤーとして大手プロダクションに勤務、その後クラシックに転向
ピアノを有森直樹氏と上田敏氏に、声楽を田崎近子氏に、作曲を土田栄介氏に師事、執行バレエスクールに在籍中
国立音楽大学「ボディテクニック」伴奏者として勤務
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寒くなったり暖かくなったりの繰り返しで、ゴールデンウィークの直前になっても、冬物をクリーニングに出す踏ん切りがつかないまま、過ごしてきた人も多いのではないでしょうか?とはいえ、新年度や新学期が始まって1ヶ月が過ぎた頃、何か新しいお稽古ごとにチャレンジしたくなるシーズンでもあります。
というわけで、春から夏のシーズンは新規の生徒様が入会されるシーズンであります。年少者の場合は自分からお稽古ごとを思いつかないので、親御さんが節目の時期である幼稚園入園や小学校入学時からお稽古ごとを探し初め、タイムラグがあって初夏の頃に習い初めるという方が多そうです。大人新入会の方も実はこの時期に集中するのですが、新しいことを始めたいそんな気分になるのだと思います。
そんなお稽古ごとの中でも、ピアノ教室に通ってピアノを弾けるようになる、というのは老若男女問わず魅力的な自己未来像ですよね。今回は、そんな初めてピアノを習う人にアドバイスしたいと思います。
さて、ピアノ教室に通うことになり定期的にレッスンを受けると、練習をしなければならなくなります。全く何もせず再び教室に行くとなると、前回の記憶が無くなっていたりします。今時のピアノの先生はお優しいので、不真面目だと責めたり、怒り狂う事はありません。ですが、すっかり下手くそになって教室に舞い戻った本人、または付き添いの保護者の方は肩身が狭く、その瞬間だけは”この一週間、なぜ練習しなかったのだろう”と自分を呪うことになります。
初心者レベルから毎日の練習が必要とされ、おおよそ初級者レベルで一日30分~1時間。中級者レベルで1時間~2時間。基礎練習(指ならし)に15分。曲の練習に30分~45分。といった感じでしょうか。この練習量がこなせたら、どんな人でも無条件に上達します。
無理…な人も多いと思います…総合職でフルタイム勤務の会社勤め、小学校高学年から高校生は部活漬け、ご両親様がフルタイム勤務で保育園から帰宅するのが夜8時、受験生、どう考えても1日1時間の練習時間が取れそうにないケースの方が多いです。受験から解放された大学生も今時はバイトとサークルで目一杯でしょう。
そうなると、いかに”練習量に頼らず、だまくらかしながら上達する”か、という事が大切になりますし、実際毎日の自宅練習ができない忙しい生徒さん達も、なんとか自分のペースで上達しているのです。今回はその方法をいくつかあげてみます。
1.ご両親様が練習するように煩く説教する
親御さんも仕事や生徒さんより年少のご兄弟のお世話で、日々の練習に付き合いたくても難しいケースが多いです。小学校3年生以上でしたら、口先だけでもピアノに向かうよう説教してくださるだけで、毎回のレッスンが捗るようになります。
2.週末ピアニスト
会社員の方は平日の練習は不可能。土日のどちらかは必ずピアノに向かい、且つ平日の夜隔週でレッスンに通うと、週1~2回ピアノに向かう時間が確保されできます。ご自宅で練習する時間のない方、自宅練習なしでも、週末レッスンに毎週通い一時間ほどピアノに触るだけで、なんとか新しいレパートリーを半年毎得ることが可能です。コツは一週間以上間隔を開けないこと、それ以上開けると完全に鈍るそうです。レッスンの間だけしか弾かない人は、自己流で間違えた音を覚える心配もありません。
3.レッスンの前と後に復習する
前述の保育園児童のような平日にピアノを触る時間がない生徒さん。目覚ましい上達は期待できませんが、音楽を”理屈抜き、感覚だけで捉えられる”時期にピアノと触れ合うことはその子供さんやご両親様にとって得難い経験になるはずです。勿論、大人の生徒さんも、何もしないでレッスンに来るより、直前に数分でも弾いた方が良いに決まっています。少し触る事で、前回のレッスンの記憶が蘇り、新しい事項も受け入れやすくなります。
4.保護者やご家族様が、ピアノに興味を持つ
例を挙げると…ピッタリお子さんの背後に寄り添い、生徒さんと同じ目線でレッスンに付き添われる保護者様がいらっしゃいます。そして、お子さんの教則本と全く関係のない質問をされることもあります。「サンバのリズムってなんですか?」といきなり突拍子もなさそうですけど、普段の生活の中で音楽に興味が無ければ出てこないはずの質問です。保護者様が習わせてる側でなく、一緒に興味を持ってレッスンに来られている事は、生徒様が主体的に練習するための強力なモチベーションに繋がると思います。
ここまででなくても、送り迎えの時に必ず先生と顔を合わせて、レッスンの課題について申し送りが出来たり、ラインなどで家庭学習の様子をお知らせくださったり等、先生と親御さんとの連携が取れていることも、年少の生徒さんの上達に良い影響が沢山あると考えています。
大人の生徒さんの場合は、同居の家族や配偶者のご理解を仰ぐことや興味関心を持ってもらうことも大きいです。「もうすぐ発表会じゃない?ちゃんと弾けてるの?」などの声がけをされることは、確実に練習へのプレッシャーになりますから。
以上。ピアノ学習が日常のルーティンワークになってしまえば申し分有りませんが、それが難しい環境や生活習慣、コツコツが苦手なの性格などの方々向きの対処法を思いつくまま書き出してみました。毎日1時間から2時間の練習が無理なピアノ学習者様や無理だなあと思われるお子様をお持ちの保護者様。是非とも参考にしてみてください。 毎日判で押したように練習しなくても、ピアノは楽しめますし、更に努力した分は必ず上達というご褒美が付いてきます。心が折れそうな時もあるかもしれませんが、せっかく初めたピアノなので、末永くお付き合いできることを祈っています。