ピアノの選び方~初めてピアノを習われる方の為に~



MY MUSIC ピアノ教室
長尾 実喜先生 監修
マイミュージックピアノ教室主宰

経歴
名古屋市立菊里高等学校 音楽科ピアノ専攻
国立音楽大学 教育音楽学科 第2類(現リトミックコース)卒業
国立音楽大学 「ボディテクニック」伴奏者
約3年飯田ジャズスクールに在籍
音大卒業後はキーボードプレイヤーとして大手プロダクションに勤務、その後クラシックに転向
ピアノを有森直樹氏と上田敏氏に、声楽を田崎近子氏に、作曲を土田栄介氏に師事、執行バレエスクールに在籍中
国立音楽大学「ボディテクニック」伴奏者として勤務
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ピアノを習い始めると、まず必要なのは「自宅用のピアノ」です。楽器のレッスンは教室のレッスンだけでは上達しません。学校の勉強と一緒で復習しないと覚えられないし、課題だけ進んでも指が思う通りに動きません。反復練習も必要です。ですからご自宅でも練習出来るように、ピアノを用意する必要があります。経験上、「ピアノを準備してから習い始める」御家庭のお子さんの上達は早いです。一年くらいで辞めるもしれないし、部屋にピアノを置く場所がない、などの理由で「卓上キーボード」を購入される御家庭もあります。が、特にお子様の初心者の場合は、おススメは出来ません。やるからには上達しないと時間とお金が勿体無いですし、その為に、一定期間は頑張る覚悟が必要です。当たり前ですが、先に楽器を用意した親子様の方が、覚悟が決まっています。とは言っても、初めてもいないピアノレッスンのために楽器を用意するなんて…と躊躇される方は、先生とご相談の上、「最初はキーボードで初めみて、どこかの機会で上位機種に変更する」というように、最初にお決めいただけるといいと思います。楽器もですが椅子も大切です。身体の大きさに併せて高さを調整する楽器専用の椅子は、大切なアイテムになります。



そして、用意した楽器の置き場所です。家の中で一番人気がなく邪魔にならないところに置きがちです。人気のないところに楽器を置くと練習が孤独になり、また親御さんの目も届きにくくなります。小学生低学年以下のお子様の場合は特にですが、親御さんと同じ空間で練習する事が必要になります。それから、空調は意外と大切で、冬は寒くて夏は暑い部屋に楽器を置くと確実に練習の習慣がつきません。話しが横道に逸れますが、大人の初心者の方で一番上達が早かった人は、炬燵の上に卓上キーボードを乗せた環境の方でした。

大人方は初心者といえど、人生経験からピアノはどういうものか、何となく察しが付いています。なので普段が卓上キーボードであっても、レッスンでグランドピアノを弾くだけで、本物のピアノを想像しながら練習できたのです。このことは、何時も触れる場所に楽器を置くことが、とても大切なことだと表しています。(残念ですが炬燵に卓上キーボードだと、ペダルをつけた曲が練習できないので、季節の移り変わりとともに、楽器も移動しました。)

楽器を用意する事と楽器の置き場所を決めたら、次は「どんな方法」で「どのようなピアノ」を用意するか、という事になります。一番簡単な方法は「アップライトピアノ」という縦型の家庭用ピアノか電子ピアノのどちらを買うか決めて、最寄りの楽器店に行き、勧められたピアノを購入する方法です。間違いはありませんが、必要以上の上位機種を勧められる可能性があります。

ピアノを買う前にお教室が決まっている場合は、先生にご相談して選ばれるのが一番良い方法です。(習って貰う方は電子ピアノではなく、本当のピアノが一番有難いですが、近年の住宅事情ではそれを許さない時もありますから、無理な事は仰らないと思います。)ちなみに、ピアノが高価格で電子ピアノが低価格とは一概に言えません。ですから、予算を決める事も大切です。中古ピアノの方が新品の電子ピアノより低価格な事もあります。先生からの紹介で楽器店のフェアなど行くと、コスパの良い中古ピアノに出会う可能性も高いです。住宅によっては重量に制約があるかもしれません。楽器の大きさだけでなく、重量も調べてから決めた方がいいでしょう。電子ピアノに関しては、YAMAHAやKAWAIIといつたピアノ製作で実績のあるメーカーのものは、タッチがグランドピアノに似せて作っているのでピアノ学習者に優しいといえます。

さて、電子ピアノで初められた方で、グランドピアノでレッスンを受けているうちに、自分の楽器に物足りなくなる事があります。生のピアノと電子ピアノの差に気がついてしまうからです。物足りなくなった時に、もっと気に入ったピアノに買い替えても良いですし、電子ピアノは電気製品なので経年劣化します。壊れた時が買い直し時かもしれません。



結論として、最初から頑張って、ピアノや高額の電子ピアノを購入しなくてもいいのですが、折角習うのでしたら、アップライトピアノか、きちんとピアノの姿をしていて、ダンパーペダルが機能する電子ピアノがお薦めです。お子様が成長すれば、練習量や練習時間帯、楽器に対する要望も変わります。その都度都度にアップライトピアノにするか、以前より上位機種の電子ピアノにするか、考えれば良いかと思います。