自分のピアノを録音したら、どこを聴けばいい?|次の練習につなげる聴き返し方

木のピアノの横で録音を聴き返すスマートフォンとノートを描いた柔らかなイラスト

自分の演奏を録音してみたものの、「間違いばかり気になる」「何を直せばよいか分からない」と、聴き返すだけで終わっていませんか。まずは短い一部分を録り、聴くポイントを一つだけ決めてみましょう。録音を、演奏全体に点数を付ける時間ではなく、次に試すことを探す時間にするための手順を紹介します。

最初は曲全部ではなく、気になる4〜8小節から

一曲を通して録ると、気になる場所がいくつも見つかり、何から始めるか迷うことがあります。最初は「両手にすると止まるところ」「先生から旋律を聴かせてと言われたところ」など、目的のある4〜8小節ほどを選びます。これは長さの目安なので、短いフレーズ一つでも構いません。

録音を始める前に、楽譜に範囲と今日の確認点を鉛筆でメモします。例えば「9〜12小節、左手が入っても右手の歌が聴こえるか」。速く弾くことや無傷で録ることまで同時に目指さず、今の練習速度で一度録ってみます。

録る前に短く試し、聴き取れる状態を作る

手元の録音機器で、まず数秒だけ試して再生します。スマートフォンなどは落ちない安定した場所に置き、鍵盤や手の動き、譜めくりを妨げない位置にしましょう。音が割れたり片側の音ばかり目立ったりするときは、置く場所を変えてもう一度試します。

録り直した演奏と比べるときは、できるだけ同じ機器・同じ置き場所・同じ再生音量にそろえます。音色や左右のバランスが気になっても、すぐに弾き方だけの問題と決めず、録る位置を変えた試し録りや、先生にその場で聴いてもらう方法でも確かめましょう。

一度に全部直さず、聴く問いを一つ選ぶ

最初の再生では途中で止めず、選んだ範囲を最後まで聴きます。その後、次の中から今日の目的に合う問いを一つ選んで、もう一度聴いてみてください。

  • 流れ:同じ場所で、意図せず止まったり急いだりしていないか。
  • 旋律と伴奏:自分が聴かせたい旋律を、耳で追えるか。
  • 音の終わり:フレーズの最後の音を、思っていた長さまで聴けるか。

すべての曲を一定の速さや同じ音量で弾く必要はありません。先生と相談した表現や楽譜の指示を手掛かりに、「自分がそう弾きたかったか」を確かめます。判断できないところは、無理に正解を決めず、質問として残して大丈夫です。

「下手だった」を、小節と動作のメモに変える

例えば、9〜12小節を録り、「11小節の左手の和音で右手の旋律が聴こえにくい」と感じたとします。メモは「全体的に下手」ではなく、「11小節、左手が入る瞬間の右手を聴く」と具体的にします。

次はその前後をゆっくり弾き、旋律を耳で追いながら伴奏の出し方を試します。力任せに右手を大きくするのではなく、左右それぞれを弾いて音の役割を確かめる方法もあります。弾き方に迷う場合は、どちらをどう変えるかを先生に相談しましょう。

少し試したら、同じ範囲をもう一度だけ録音します。聴き比べるのは、最初に決めた一点です。違いが分からなければ「分からなかった」と残して、その日の録音を終えて構いません。納得するまで録り直し続ける必要はありません。

  • 録った範囲:9〜12小節
  • 残したいところ:最初の旋律は途切れずに聴こえた
  • 次に試すこと:11小節の左手が入る瞬間も旋律を聴く
  • 先生に聞くこと:伴奏を控える弾き方はこれでよいか

子どもには感想を先に、大人は前の自分と比べる

親子で聴くときは、先に本人へ「どこを聴いてみたい?」「好きだったところはあった?」と尋ねてみます。保護者が間違いをすべて指摘するより、本人が選んだ一点を一緒に確かめる時間にしましょう。録ることを嫌がる日は、無理に続けなくても構いません。

大人の再開組も、まずは以前の自分の同じ箇所と比べてみてください。憧れの演奏との差を全部埋めようとするより、「先週止まったところが今日はつながった」など、自分で確かめられる変化をメモします。気に入った音やフレーズも一つ残しておくと、次に弾くときの目印になります。

次のレッスンには、録音と質問を一つ

録音を先生に聴いてもらいたいときは、レッスン内で扱えるか先に相談し、該当する小節と質問を用意します。「この曲を全部聴いてください」より、「11小節で旋律が隠れる気がします。どこを変えるとよいですか」と伝えると、相談したい点がはっきりします。レッスン外に送る場合は、送付先や対応の可否も確認しましょう。先生やほかの人の演奏・声を録る際も、先に了承を得てください。

ページをめくるところで止まるのが悩みなら、譜めくりの前後をつなぐ練習と準備も参考にしてください。練習の進め方を相談できる教室を探している方は、地域別のピアノ教室検索から、通える範囲の教室を比較できます。

今日の録音は、短い範囲を一つ、問いを一つ。聴いて気付いたことを次に試せる言葉で残せたら、そこで一区切りにしましょう。